こんにちは。
美容師をはじめてまだ数年ですが、僕なりにアシスタント時代に考えていたことを綴りたいと思います。
新卒で入社し、社会人となる人が多い4月。
僕自身も何年か前の4月にairという会社に入社しました。
アシスタント1年目の時に考えていたこと。
それは、ただただ早く(3年以内)にスタイリストになりたい
それだけでした。
まず、スタイリストになるという1つの大きな目標があって、そこから逆算して、その時々で何をしなければならないかを考えていました。
シャンプー
カラー
パーマ
ブロー
カット
ヘアセット
…
とスタイリストになるにあたり、当たり前に出来なければならない項目がたくさんあります。
それらを1つ1つPASSしていくことがスタイリストになる近道の一つであることは間違いありません。
僕がこだわっていたのは1回1回の練習の質、営業中の思考です。
練習の質
僕自身、お店に長く残る事もあまり好きではなく、だらだらと練習することが嫌で、やるときは本気でやる、抜くときは存分に抜くといったスタンスで、ずーっと練習してきました。あとは先輩を捕まえてたくさん聞くこと。そして大事なポイントが分かるまで諦めず、聞き続けることです。本当に集中してすれば10回の練習なんかよりよっぽど、密度も濃く、為になる練習が1回できると思います。
営業中の思考
全ては営業中に答えが落ちている。
本当です。カラーが塗れない時から、お客様のカルテに書いてあるカラーレシピをみて、beforeの髪の状態を覚えておいて、仕上がりの状態を見る。
すると、
この毛質でこの配合だとこんな仕上がりになるのか
という1つの自分の引き出しが出来る。
毎日たくさんのお客様がいらっしゃる中で毎日何十通りのレシピをためこめれば、カラーの練習に入った時に自然と配合は出来てくると思います。
毎日を惰性で過ごさず、営業中フルに頭を動かしておけば、同じ時間を過ごす中に確実に自分のモノになるものが多くなるはずです。
アシスタントカリキュラム
1年目の入社して、シャンプーを合格してお客様に入客できるようになるまでに3ヶ月かかりました。
すでに自分の中では2ヶ月で入客目標をしていただけに、ここで相当の焦りがあったことは鮮明に覚えています。
1年目が終わる頃には、パーマのカリキュラムを卒業し、カラーリングもお客様に入客している状態でした。
1年目は後輩がいなく、自分より上の人しかいなかったので、とにかくみんなに追いつけ追い越せの気持ちしかありませんでした。
そして、2年目になった時、新店舗の立ち上げメンバーに、材料係(主な仕事はカラー剤、パーマ剤、ヘアアイロン、美容道具などの発注、在庫管理など)
として、選んでいただきました。
ここでカリキュラム以外に学べたこととして、
・美容院を経営するにあたりいくらの材料費がかかっているのかということ
・営利が生み出される仕組み
・物の大切さ
・薬剤知識
など、沢山のことをアシスタントカリキュラム以外に学ぶことができました。
そして、2年目が終わる頃には営業中にお客様にアシスタントとして、携わらせてもらえる技術はほぼできるようになり、カットの練習に入っていました。
しかし、このままのペースだと3年以内にスタイリストになるには、1年以内でカットのカリキュラム全てを終わらせなければならず、
正直、3年以内というものに諦めかけていたような気がします。
そして、3年目。
営業ベースの仕事はほぼほぼでき、後輩も入り、立場的にもアシスタントとして、お店の軸になっているくらいの時に、様々なことに直面しました。
まずは言葉遣い。接客態度。
僕自身、ノリが軽いといいますか、適当だといいますか、接客や目上の方に対しての態度、言動に沢山の難があり、先輩から多くのご指摘を受けました。店舗内のミーティングでみんなから詰められた経験もありました。
そこから、普段意識をしたり、分かってはいるけど、ふとした時にダメな自分に戻っていたり、度々注意を受けたり。。
未だに全然完璧ではないですが、接客業としてお客様、スタッフ、関係者の方と接することへの大切さを多く学べた1年でもありました。
そして、後輩を育てるということ
美容師というのは、1人でやるプライベートサロンなどは別だと思いますが、多くの人間が一つの箱に属する団体は、必ずと言っていいほど、チームワークが大事になってきます。
そして、1つ上のポジションに自分が上がる時、後輩も1つ上のポジションに一緒に引き上げる必要性があります。
自分だけのカリキュラムが進めば、どんどんスタイリストに近づけるというわけではなく、自分が今までしていた事を後輩に引き継ぎしながら、前進していくことがとても重要になってきます。
つまり、みんなで前進することがとても大事なんです。
そして、3年が過ぎてしまいました。
結果として、3年以内にスタイリストデビューはできませんでした。。
がしかし、この時の自分を思い出すと、当時の力量でスタイリストとして、なんでもこなす自信はまだありませんでした。
4年目。
僕の中で最大の転機が訪れます。
それはair groupディレクターである渋谷謙太郎の専属アシスタントとして、働くチャンスをいただけたことです。
僕がこの会社を入社したきっかけはプロデューサーである朝日光輝、ディレクターの渋谷謙太郎の元で働きたいと強く願っていたからです。
専門学生の時に、渋谷さんのところへ通い、カットしてもらっていたので、その方の専属アシスタントとして働かせてもらえることにとても大きな喜びがありました。
そして、つきはじめてすぐに3年間アシスタントをやってきた中にあった自分の慢心した考え方は根本から叩き直されました。
技術、接客、サービス、
どれにおいても僕自身によいところは1つもなく、全てを指摘していただき、何度も何度も指導をしていただきました。
無論、褒めてもらえることなど一切なかったわけですが、考え方が自分の中で変化し、
指摘していただく1つ1つが自分の足りないところであり、成長できるポイント
であるという風にプラスに考えれるようになりました。
もちろん、手を抜いたつもりもないですし、妥協したつもりもありません。だからこそ指摘されることが、本当に自分にとって足りない部分であるということと思うことが出来たんだと思います。
そして、今、スタイリストとして、お仕事をさせていただいてるのですが、
本当に何も間違っていたことはなく、むしろまだまだ足りない部分だらけなのですが、
前向きに考えること、
一人ではなくみんなで向上していくこと、
謙虚でいること、
たくさんの事を学べた時期であったと思います。
アシスタントは長くやったほうが良い
という考え方を聞いたことはありますが、僕は、
長さではなく、濃さ
だと思います!
長くやることで、たくさんの経験、人間的魅力、技術、様々なものを得るというメリットももちろんありますが、
濃い毎日を送ることで同じスペックを短期間で習得できたら、よいのではないでしょうか。
正直、もっと早くデビューしたかったという後悔もとてもありますが、
もっと渋谷さんについてアシスタントをしたかったという気持ちもあります。
今、アシスタントをしていて、悩んでる人、もやもやしてる人、前向きになれない人、
ぜひ
前向きに考えてみてはどうでしょうか。
今日怒られたことも、成長する糧になるのではないでしょうか??
僕は毎日、すっごく楽しいですよ。